スタートアップのCS担当者にオススメ!専門家相手の壁打ちで早期に業務設計の基礎固めを実現する『CSブートキャンプ』導入事例【コークッキング様】
『誰もが「人間らしく創造的な暮らし」を実現できる社会の実現に貢献する』をビジョンとし、それを私たちの生活にもっとも密着した「食」という行為を切り口にさまざまなアプローチをする株式会社コークッキング。同社では2021年9月から2ヶ月間、カスタマーサクセス(以下、CS)の軸足固めの段階で、アディッシュ『CSブートキャンプ』サービスを導入しました。導入に至った背景と利用後の所感について、株式会社コークッキング COO 篠田 沙織様にお話を伺いました。(聴き手:アディッシュ株式会社 平田)
フードロス問題解決に向き合うTABETEの「心臓」として
ー まずはTABETEについて、また篠田さんのミッションについてお話いただけますか。
篠田様(以降、篠田):はい。TABETEは2018年に弊社が発表した食品ロス問題の現状と削減・意識向上のためのプラットフォームです。閉店間際などでまだおいしく安全に食べられるのに廃棄の危機に面している食事を「食べ手」とつなぎ、最後まで売り切ることを応援します。お得に食事を手に入れたい消費者による身近なお店への「レスキュー」によって無駄に廃棄される食品を減らします。
フードロス問題に切り込むサービスは他にもありますが、その対象や範囲を特定のジャンルや業態に限定するものが多く、TABETEは一般消費者を対象に広く展開しているのが大きな特徴です。
会社は社員8名とインターン生数十名という体制で、サービスの開発と運営、営業・マーケティングとすべての業務を回しています。その中でCOOである私の役割は、いわば「何でもやるポジション」で、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス(以下、CS)と、顧客接点をもつすべての業務に関わっています。
ー 大変な重責ですね!管掌が幅広い中で、CSとしてはどのような業務を行われているのでしょうか。
篠田:CSに関しては、マーケティングの観点から見ることが多いです。店舗ごとに出品の適正量がありますので、仮に該当の店舗さんの出品量が想定より大幅に少ないときに「トラブルが起きているのではないか」、「サービスをうまく使えていないのではないか」という仮説を立て、フォロー方針に反映させていくような動きです。
顧客の成功を言語化し、KPIを見直したい。『CSブートキャンプ』リリースは、CS業務設計に最適のタイミングだった
ー なるほど、わかりやすいです。そうした中でどのような課題を感じていらしたのですか。
篠田:サービス開始からは2年半ほど経過していて、手探りで進んできたものに「これで合っているのだろうか」と漠然とした不安を感じるようになりました。具体的に問題視していたのは、クライアントの成功の定義とKPIが紐づいていないことなどです。以前はサービスを利用する店舗の数や出品していただく量をKPIとしていました。でも、食品ロスを解決するためのサービスですから、「出品量の増加=良いこと」とは言えません。意味のある数字が何なのか、また成果をどう判断していくか悩んでいました。
ー アディッシュの『CSブートキャンプ』を利用したきっかけはなんだったのでしょうか。
篠田:はじめてアディッシュさんの存在を知ったのはセミナーです。私はスタートアップを中心に集まるマーケティングのオンラインコミュニティに所属しているのですが、そこでのセミナーにアディッシュ代表の江戸さんと阿部さんが登壇し、CSについてお話されていたんです。
ちょうど漠然とした不安を抱いている時期だったので、CSの段階をフローで表現されているのを聴き、ハッとしました。その考え方に落とし込めば自分たちの在るべき場所が見えると感じたんです。CSの定義づけが重要だ、というメッセージにも共感しましたし、CSのフローを一貫して定義して伝えている会社と出会う機会がなかったので、知見のある会社さんという印象を持ちました。
『CSブートキャンプ』を依頼した直接のきっかけは知人の紹介です。先のセミナー後もそこでのヒントを元にしばらくは自分で考えを整理していたのですが、あるとき「アディッシュさんでカスタマーサクセスチームの早期立ち上げ支援サービスができた」と教えてもらって。基礎固めの段階を知見のある方々にしっかりサポートしていただきたいと思い、お願いしたのです。
ー 『CSブートキャンプ』のどういった点を魅力に感じていただいたのでしょうか。
篠田:『CSブートキャンプ』は寄り添ってくれる姿勢が明確なサービスだと感じました。いわゆる「コンサルティング」には課題をヒアリングしてアウトプット資料だけ作成して終わり、というようなイメージのものもあると思います。でも、『CSブートキャンプ』では「カスタマーサクセスの成功の定義」「みるべき数字」「適切な運用」というように、CSの部門を立ち上げ業務を回していくプロセスに必要な観点で設計をサポートしてくださいます。
でも、正式に依頼してみたら担当が阿部さんだったので驚きました。なんといっても阿部さんのお話が直近の取り組みのきっかけだったので、その方に壁打ちを付き合っていただけるなんて嬉しかったですね(笑)。
2ヶ月間の柔軟かつ着実なプロジェクト進行でKPI設定や運用まで基礎が完成
ー 担当の阿部からは「篠田さんがご自身でしっかり考えて設計されていたので、目線合わせも早くとてもスムーズに進められた」と聞いています。『CSブートキャンプ』を利用された期間は2ヶ月ということですが、どのような流れでコミュニケーションを取っていたのでしょうか。
篠田:ありがとうございます。最初にCSの段階としてどこにいるのか現状把握とゴール設定をした後は、毎週1回の定期ミーティングでプロジェクトを進めていただきました。
毎回議論の後に宿題を持ち帰り、次回その進捗を報告してまた議論していくという流れです。
課題だったクライアントの成功の定義を明確にし、みるべき数字として新しく「ヘルススコア」を設定しました。あらかじめクライアントごとに伸ばしたい数字や食品ロス量を設定し、これに紐づいた数字を専用のダッシュボードを用いて管理するようにしたのです。見る数字の範囲が広くなっているので、運用の負荷も想定し、更新は月1回程度…というように全体的な設計を相談しながら決めました。
ー 導入してみていかがでしたか?率直なご感想をお聞かせください。
篠田:最適なカスタマーサクセスの業務設計は重大なテーマです。それを専門家の意見を取り入れながら進められるのは、本当に助かります。独自の進め方で不安だった部分も解消されました。
それから、スタートアップにありがちな流動的な状態も受け止めてくださるのがありがたかったです。パッケージとして型にはまった対応ではなく、ヒアリングの割合を多めにして状況を丁寧に聞いた上でカスタマイズする、というように私たちの状況に合わせて柔軟に対応していただきました。
その点も含め、スタートアップのCS担当の方には『CSブートキャンプ』をオススメしたいですね。スタートアップの「取り組むこと全てが新しい」状況下では、成功パターンや型がとても重要です。でも、CSについてはこうした法則を自力では見つけづらい上に、経験豊富な人材を探すのも大変です。ですから間違った方向で進む前に、適切な壁打ち役を頼ってほしいと思います。
食品ロスという問題を難しく捉えず、楽しんで使ってほしい
ー TABETEを始め、自社サービスを通じてどのような未来を創り出したいとお考えでしょうか。ぜひ今後の展望についてお聞かせください。
篠田:食品ロスという社会的課題は、「これをすれば解決」と言うような単純な性質のものではありません。海外と比べて日本は市民意識や社会事業に対する参加意識が低いので、まずは「食品ロス」というテーマに光を当てるムーブメントを起こしたいと考えています。
この問題に対して私たちのアプローチは「買い方」や「消費の仕方」を変えるというものです。大量生産・大量消費が当たり前、食べたいものはいつでも食べられるという世の中で、まずはふと立ち止まって考えていただくきっかけにしてほしいーそんな想いから、消費者の方に近い土俵でのサービス展開にこだわっています。いつかは根本解決も見えてくると信じながら、食品ロスという問題を難しく捉えすぎず、まずは多くの人が楽しんで使えるようなサービスを提供していきたいですね。
ー ありがとうございます!福袋の販売など、「お得感」や「ドキドキ」など購買意欲をくすぐられるポイントが随所にありますよね。それでは最後に、今後に向けてアディッシュに対する期待などありましたらぜひ。
篠田:はい。『CSブートキャンプ』は2ヶ月間で最初の設計段階が完了し、今は一旦ストップしている状態です。他のプロジェクトの優先順位が上がってしまったために、本格的な運用は今後になりますが、過去と比べてお客様満足度がどう変化するか、など再開したときの結果が楽しみです。また、実際に運用を進めていくと新たな課題も明確になってくると思います。その時はまたアディッシュさんに伴走をお願いしたいですね。そうやって会社としての取り組みの精度を高めていきたいと思います。
ー篠田さん、本日はありがとうございました。
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