【アディッシュ IR通信】2023年12月期 通期決算ポイント解説
アディッシュ株式会社(7093)IR担当です。
2024年2月14日に発表しました2023年12月期 決算について、2023年12月期業績概況および2024年12月期業績予想を中心にお伝えします。
2023年12月期 決算概況
案件の積み上げにより連結売上高は、過去最高の35億2,000万円に達しました。営業損失1億7,100万円、経常損失1億7,200万円、親会社株主に帰属する当期純損失1億9,300万円という厳しい結果となりました。
2023年12月期は複数の課題が発生したことが要因です。
子会社の業績悪化、案件開始の延期、システム投資の増加、一部市況の悪化による解約や減額が発生しました。
各課題の解決状況については、後述の「2023年12月期の振り返り ー進捗と課題ー」パートで詳しく説明します。
純資産合計は、4億3,900万円に減少しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純損失の計上1億9,300万円、2023年5月に実施した自己株式の取得9,900万円によるものです。
その結果、自己資本比率は37.1%(2022年12月期は49.8%)となりました。
関連資料:決算短信
※自己株式取得の経緯と今後の活用については、こちらのnoteで紹介しています。
主要KPIについては、ストック収益34億6,000万円/年、ストック収益率は98.4%となりました。年間顧客数は623社と、今後も増加を目指していきます。
2023年12月期の振り返り ー進捗と課題ー
2022年12月期より「スタートアップのカスタマーサクセス支援」を進めており、着実に収益の基盤を構築しています。
進捗と社会状況
カスタマーサクセスの商談は継続的に獲得
カスタマーサクセス人材を育成する、アディッシュ独自の教育プログラム「カスタマーサクセスプライムラーニング」(CSPL)の構築・展開
未経験者からカスタマーサクセス人材の社内育成が可能
スタートアップおよびカスタマーサクセス市場の拡大
一方で2023年12月期は複数の課題が発生し、反省の多い年となりました。
発生した課題と状況
課題1. 子会社の業績悪化
子会社の顧客開拓等の不調があり、売上の拡大につなげることができませんでした。
▶解決進捗状況
収益化を図るためコスト削減や人材および案件の適切な配置を行い、2023年12月期で解消しました。
課題2. 案件開始の延期
2023年12月期の下期に見込んでいた大型案件の開始が遅れたことで、全体売上ならびに売上総利益が減少しました。
▶解決進捗状況
2024年12月期 第1半期で解消され、第2四半期の後半以降に回復する見込みです。
課題3. ライドシェアやAIに関するシステム投資
カープール型ライドシェアnottecoや生成AI活用など市況の変化に即したシステム投資が増加しました。
▶解決進捗状況
徐々に投資対効果を発揮する見込みです。
課題4. 一部市況の悪化
市況の影響を受け解約や減額が発生しました。
▶解決進捗状況
スタートアップにおけるカスタマーサクセス支援領域に収益の基盤を構築し、売上比率を高めるため戦略的に推進しています。これにより従来売上比率のあったゲームアプリサポートに対する割合を徐々に低減しています。
2024年12月期業績予想
アディッシュの目指す「スタートアップのカスタマーサクセス支援」は着実に進んでいます。
2024年12月期の売上高は39億5,600万円(前期比増減率+ 12.4%)、経常利益3,600万円(前期は1億7,200万円の経常損失)を見込んでいます。
2023年12月期に発生した一部課題の解消に、2024年12月期 第1四半期までかかると見込んでおり、その後は採算も上向く想定です。利益着地は数千万円程度上下する可能性があるため、確定事項が発生した際は、速やかに発表いたします。
今後の見込みについて
売上見込みについて
国内・海外ともにスタートアップ市場には不確実性はあるものの、継続して成長すると考えています。日本では政府がスタートアップ育成5か年計画を発表、スタートアップ関連の補正予算を約1兆円(事業規模 約1.5兆円)としています。
このような市場の動きは、スタートアップを支援するアディッシュのビジネスモデルの追い風となっています。また各種露出や施策により商談数は増加していること、アディッシュはストック型のサービスを提供しており毎年10数%以上の成長を実現していますので、今後も中長期的に売上は継続して積み上がっていくと想定しています。
販管費と利益水準見込みについて
2023年は原価率70%、販管費11億7,000万円程でした。
2024年以降は、原価率65〜70%程、販管費12億円程と見込んでおり、昨年と比べて増加率は103%程と、トップライン(売上)の成長ほど大きくはならない想定です。
そのため、トップラインが成長していくことで原価率、特に販管費率が下がり、結果として利益水準が向上していく状態を目指して事業を進めていきます。
ライドシェアに対する取り組みについて
2024年にライドシェア規制改革の動きが予定されており、ライドシェア市場の拡大が見込まれています。
カスタマーサクセス領域のひとつ、モビリティ向けカスタマーサクセス支援の一環として、2022年よりカープール型ライドシェアサービスnottecoを、連結子会社のアディッシュプラスが運用しています。
本規制改革を追い風に、ライドシェアならびにMaaSへの取り組みを強化し、業績の成長につなげていく予定です。
以降は、アディッシュの中核事業である「カスタマーサクセス」についてご存じではない方は、ぜひご覧いただければと思います。
アディッシュのビジネスについて
アディッシュは、デジタルエコノミー特化のカスタマーサクセスソリューションプロバイダーであり、「スタートアップにおけるカスタマーサクセス支援のトップパートナー」を目指し、事業を推進しています。
「カスタマーサクセス」とは、サービスや商品を利用されている消費者に対して、企業側から消費者へ能動的に働きかけ「顧客の成功体験を最大化」する取り組みです。
消費者の価値観が「モノ」消費から、体験などをはじめとする「コト」消費へ変化しています。購入しないで利用するサブスクリプション(継続・定額)型のサービスを提供する企業が多くなっており、企業には消費者との関係を「継続」していこうとする考え方が広まってきています。これがカスタマーサクセス重要性の高まりです。
カスタマーサクセスで、アディッシュが企業へ実施していることは大きく3つあります。
企業のサービスや商品に関心がある/利用している顧客へ「利用の拡大」につながる支援
サービスを継続利用してもらえるよう顧客へ能動的に働きかけ、満足度向上に関わる支援
顧客が望む状態を察知し、継続的にサービスが利用されている状態を保持する支援
これらを設計コンサルティングや運用代行、常駐といった形で携わることで、企業の成長に伴いアディッシュも成長をしていく収益モデルとなっています。
同じサービスの「量」が増えることによる月次収益の増加=アップセル
別の「種類」のサービスを利用してもらうことによる月次収益の増加=クロスセル
この収益モデルは、顧客層の拡大とかけあわせることで、成長が加速していきます。
以上、2023年12月期業績概況および2024年12月期業績予想を中心にお伝えしました。
より詳しい内容は、関連資料をご確認のほどお願いいたします。
【関連資料】
・決算短信はこちら
・決算説明資料はこちら
・決算説明動画はこちら
・決算説明動画書き起こし資料はこちら
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今月もアディッシュIR通信をご覧いただき、ありがとうございました。
業績達成に向けてグループ一丸となり進めてまいります。
今後もご支援のほどよろしくお願いいたします。
※本記事は、情報提供のみを目的として作成しています。有価証券の販売の
勧誘や購入の勧誘を目的としたものでありませんので、ご留意ください。
※2024年2月15日現在の記事です。
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