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上司がメンバーから逆フィードバック?! アシミレーションという新たな取組

こんにちは!アディッシュの藤木です。
私は経営戦略本部に属しているんですが、なんと同本部の執行役員でもあり本部長の小原さんがメンバーに逆フィードバックを受けてボロクソにされた!なんて噂を耳にしました。

一体何があったのか気になって仕方がなかったので、噂の企画に関わっていたコミュニケーションデザインチームの大山結さんに聞いてみました!

藤木「結さん、今日はよろしくお願いします!早速なのですが、この間小原さんが部下にボロクソ言われたという噂を聞いたのですが、一体何があったんですか?(笑)」

結「あ〜アシミレーションの件ですね。確かに部下9人からビシバシ言われてましたね。『小原さんって、私に興味ないですよね!?』とか『何考えてるか分からない、感情がない』とか😂」

藤木「しかも、それって小原さんから『こういう場を設けたい!』って言ったんですよね。いつも何考えているかわからないですが、やっぱりよくわからないですね。私だったらそういうのやられたくないですけどね(笑)」

結「まぁ普通は嫌ですよね。でも今回やってみて、かなりチームとしての結束や信頼関係は強まったように思います。今回は経営戦略本部で実施しましたが、社内の他のチームも実施を勧めたいくらい反響も良かったですしね!」

藤木「そうだったんですか!このnoteを読んで頂いている方にもシェアしたいので、是非詳しくお伺いさせて下さい。」

アシミレーションとは

藤木「早速ですが、今回の取り組みは一般的に『アシミレーション』と呼ばれたりするみたいですね。ここについて詳しく教えて下さい。」

結「はい。今回のようにビジネスで言われる「アシミレーション」は、上司と部下の理解を深めてチームを結束させるための取り組みのことを言います。普段上司から部下にフィードバックが行われる機会はありますが、その反対はあまりありませんよね。そこでメンバーから上司にフィードバックをして、チームを改善していくことを目的に行われます。一般的にはリーダーとメンバーの関係性を構築したい時、リーダー自身のマネジメント方法を確認したい時に向いていますね。」

実施背景

藤木「なるほど、ありがとうございます。とはいえ、うちの会社は割とフラットな関係性ですし、今回対象となった経営戦略本部には私も所属してますが、関係性も良い方だと思うんですよね。なんで小原さんはこれが必要だと思ったんですかね?」

(経営戦略本部 小原)

結「主な目的は『もっと現場の意見を吸い上げて意思決定に反映させたい』という所でした。うちの経営戦略本部は、組織変更の影響で色んな部門が関わるチームになったじゃないですか。
小原さんは部門長なので、部門が大きくなると現場から遠ざかってしまうことを課題に感じてたみたいですよ。
本来の役割としては意思決定や方向性を示すことを担っているはずが、現場の意見を適切に汲み取れないと現実にそぐわない判断などをしてしまう可能性があるからです。

本当は部下から都度フィードバックをもらえる形が望ましいのですが、立場上言いづらい可能性があったり、きっかけがなかったら言わないこともありますよね。
そこで今回のような場を設けることでフィードバックをもらいやすくし、より良い状態を目指していくことになったというのが背景でした。」

藤木「なるほど、確かにそうですよね。以前は飲み会やランチの場で話していたこととかも、大半の人がリモートワークで働くようになった今、話す場がなくなりましたね。
オンライン会議でいきなり議題に出すのも勇気がいりますし、そういう面では現在の働き方に即している取り組みですね。」

アシミレーションの進め方

藤木「とはいえ、MTGを設定して『では思ってること打ち明けて下さい!…』では誰も話し始められないと思うんですよね(笑)。なので場の空気作りであったりが非常に重要になると思うのですが、その辺りどうやって進められたのか伺えますでしょうか。」

結「そうなんですよね、そこがファシリテーターの役割が問われる所というか。今回は具体的にこんな流れで進めました。」

リーダー=小原、ファシリテーター=結
出典:フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術, 中原 淳
(PHPビジネス新書)

結「最初に小原さんには席を外してもらい、私から参加者の皆さんにこんな問いを投げかけました。

・期待している(やってほしい)ことは?
・続けてほしいことは?
・やめてほしいことは?
・言いづらいことは?

今回はオンラインで開催したので、JamBoardというオンラインホワイトボードツールを使用して意見を書き出してもらいました。ちなみに『やめてほしいこと』などは直接的な内容になってしまうので、一応以下のようなグラウンドルールを定めた上で実施しました。」

結「一通り意見が出揃ったらメンバーには一旦退出してもらい、私から小原さんに『こういう話が出ました』と共有しました。藤木さんもご存知の通り、今回のケースでは小原さんとメンバーの関係性も良好なので、直接JamBoardを共有しながら確認してもらいました。その後全員再集合して、小原さんからの考えを伝えたという感じです。
ちなみに小原さんに『noteで公開しても良いですか?』と聞いた所OK貰えたので、赤裸々な内容ですが公開しちゃいますね(笑)」

(オレンジ色の付箋が小原からのコメント、それ以外の色はメンバーが挙げた意見です。)

結「例えば『時々丸投げになる!!』『業務をしてくれさえいればいいと思っていそう』とか、結構本音が出てて良いですよね。それに対しては『丸投げしてるときはできると思って期待してる。』『ロジックが通ってれば何しててもよい』といった返事があり、こういうのを確認できれば今後の業務も安心して取り組めますよね。普段確認しづらいような、でも薄々感じている不安を擦り合わせられる良い機会になったなと思います。」

参加者の感想

藤木「確かに、一部意見は私も思っている所がありますが、返事を見れば安心材料になりそうですね。実際に参加されたメンバーの意見も是非教えて下さい!」

結「そうですね。今後他の部署に展開するためにも意見を集めたので、いくつか抜粋してご紹介しますね。」

  • 業務上でなかなか聞けなかった疑問が解消されたため、満足しています。オンラインになってからは、リアルな場やランチ、飲み会などでの話題が減少しているため、意見交換の機会が少なくなっていると感じます。

  • 「やめてほしいこと」や「言いづらいこと」という意見は、信頼関係が築かれている証拠だと感じました。チームとしてうまく機能していると実感しました。

  • リーダーが仕事を依頼するとき、どんなことを考えているかを直接聞くことができて、安心しました。

結「小原さんも、終了後こんな感想をSlackに投稿していましたよ。」
小原「厳しいフィードバックで、この年齢で泣いてしまったらどうしようかと思っていましたが、皆さんに大人の対応をして頂き無事回避することができました。ありがとうございました!」

こんな場合に向いています

藤木「メンバーの声を見てもポジティブな意見が多く、様々な場所で活用できそうですね。今回設計〜実施までを担当されて、特に向いていると思ったケースなどはありますか?」

結「そうですね。例えば2つのケースが挙げられると思います。

1つ目は新しいチームのリーダーが決まった時ですね。リーダーとメンバーの関係性がまだ築かれていないと思うので、メンバーが期待することを共有するための手段として有効だと思います。

2つ目はリーダーとメンバーの関係性が良く、もっとメンバーの意見を反映させたいと考えている場合です。例えば人から強制されて実施する場合は厳しいフィードバックが返ってくる可能性もあるので、主体的に取り組みたい場合に向いていると思います。またチーム内の関係性が悪い場合はあまりポジティブな改善に繋がらず、そのまま関係性の悪化を進行させてしまう、もしくは率直な意見が出にくい可能性がありそうだと感じましたね。」

ファシリテーターとして気をつけるべきこと

結「あと、参加者の意見の中に『関係性ができていないと難しい』というものが結構見受けられたんですよね。例えば『期待していること』『やめてほしいこと』などは質問内容が直接的なので、回答が出にくい人もいました。なのでファシリテーターは、質問を適切に言い換えたりすることで発言しやすくなるようにサポートしてあげることが重要だなと思いました。となると、ファシリテーターと参加者の間にも関係性の構築が必要になるんですよね。

あとは、いくら関係性がフラットだからと言っても、一応上司と部下の関係では多少の力関係が存在しますよね。そうすると『これを言ったら評価に影響するかもしれない』という心理的な抑制が働くこともあるので、この点を理解して参加者に丁寧に説明する必要がありますね。」

藤木「なるほど。つまり、今回参加した方全員の間に関係性がないとなかなか上手く回らなさそうですね。場合によっては不満の捌け口としての場になってしまい、関係悪化に繋がる可能性もありそうなので注意が必要そうですね。」

まとめ

今回は弊社で行ったアシミレーションの取り組みについてご紹介しました。社風的にも上司、部下の関係が比較的フラットではありますが、それでも言いづらいこと、機会がないと言わないことも、言われてみれば存在するなと思います。今回初めてアシミレーションという手法を取り入れたお陰でその辺りを明らかにすることが出来たとともに、メンバーの不安要因もクリアにすることができました。同じような課題を抱えられている方は、是非一度取り入れてみてはいかがでしょうか。

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