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「仕事を通じて一人ひとりが輝き、幸せになる」未来のため、覚悟のMBO。人事・組織課題解決のため多様なサービスを展開する【EDGE株式会社様】

こんにちは、アディッシュの平田です。「次世代の挑戦者」としてスタートアップ企業をご紹介する本シリーズ、今回ご紹介するのは、EDGE株式会社代表取締役の佐原 資寛様です。弊社代表取締役 江戸 浩樹との対談で、事業への思いや経営者としての悩み、今後についてお話を伺いました。

サービス内容と起業の経緯

江戸:今日はよろしくお願いします。はじめに、御社についてご紹介いただけますか。

佐原様(以下、佐原):はい。人事課題、組織課題解決に特化したエアリーシリーズを中心に開発提供しているEDGE株式会社と言います。もともと2017年4月にガイアックスより分社独立した会社ですが、2021年に資金調達とMBOを行いました。最初は新卒採用の内定者をフォローするSaaSサービスから始まり、人事課題の解決に焦点を当てたさまざまなSNSソリューションを展開しています。最近では人的資本を可視化するために幸福度を測るサーベイや、上司と部下の1on1の質を高めるため科学的な論拠をもとにしたフィードバックを行うサービスなどもリリースしています。

江戸:佐原さんはなぜHRテック分野で事業をしたいと考えたのでしょうか?

佐原:実は私はそれ一本なんです。起業当時の親会社、ガイアックスでインターン生だった2008年の頃からずっとその領域に身を置いてきました。EDGEは2017年に起業した当時から「人は、もっと輝ける」をCompany beliefとして掲げています。これには、イヤイヤ仕方なく働くのではなく、誰もが仕事を能動的に楽しめるように、そんな人が一人でも増えるように私たちのサービスを通して貢献していきたいという想いがこめられています。私がビジネスに携わるようになって以来、変わらない課題意識なんだと思います。
ちなみにCompany beliefというのは、自分たちがつくりたい未来、信じている未来のことです。「ビジョン」や「ミッション」という言い方がしっくりこないので、私たちはこういう言い方をしています。

「個人を尊重できる会社が選ばれる時代」に備えて

江戸:先ほどお話にあった1on1のサービスは、昨年eラーニングアワードでも特別賞を受賞されたのですよね。「エアリー」シリーズのラインナップからは企業が抱える人事課題をとても丁寧に拾っている印象を受けます。

佐原:ありがとうございます。いま個人が会社に合わせるという時代から「個人の価値観を尊重する会社でなければ選ばれない」という時代に変わりつつあります。ただ、いまのマネジメント層にあたる30代後半から50代の人たちは、自分自身が会社に合わせる全体最適の価値観でマネジメントされてきた方々です。そうした人たちがこれまでと同じ感覚で「マネジメント」しようとしても、失敗して当然じゃないかと思うんです。これまで「当たり前」だと思ってきた手法にこだわらず、新しい価値観に適応しろというのは酷な話です。

だからこそ新しい手法やテクノロジーで下支えできることがあるはずですし、今後必ず伸びてくるニーズだと確信しています。

江戸:実際に導入されているお客様はどんな企業が多いですか?

佐原:SaaSのプロダクトは大手企業を中心に600法人以上とのお取引があります。ただ人事課題はHRTECHだけではなかなか解決できないので、特に中堅・中小企業にはコンサルティングサポートサービスという形で導入されるケースも増えています。具体的には評価制度を作ったりエグゼクティブコーチングをさせていただいたり、社内の会議のファシリテーションに入ったり。人事とか組織開発とか経営のボードメンバーのコミュニケーションを促進するような取り組みを同時並行で提供しています。

江戸:確かに昨年(2021年)はMBOをされて「エアリーマネジメントクラウド」に「エアリーフィードバッククラウド」と相次いでサービスリリース。確実に事業が加速している印象です。

佐原:ありがとうございます。法人名が変わったわけではありませんが、個人的にMBOすることにはこだわっていたんです。それまでの事業を通じてもっと投資に振り切りたいという思いが募っていたからです。

いくら市場のニーズに手応えがあって、これからの成長を確信していても、製品やサービスを成長させられなければ夢に終わってしまいます。マネジメントの課題を助け、企業の変革、そこで働く人の幸せに貢献していく。その夢を叶えるためには事業投資する原資が必要でした。資金調達もできない状態を脱したいというのがMBOにこだわった最大の理由です。

江戸:なるほど。親会社からスピンアウトして外部の資本を入れて、その先にはIPOも目指すという道。きっと今後もそういう会社は少なくないだろうと思いますが、なかなか大変ですよね。

佐原:はい。私の場合は良い人に巡り合えて助けていただきました。それこそ親会社のなかにも「そろそろ本当に自分のやりたいように、悔いのないようにやったほうがいいよ」と独立を後押ししてくださる方がいて。本当にありがたかったです。

江戸:ご自身がなぜ多くの方の応援を得られたのか、何がポイントだったのか、当時を振り返ってみて思い当たることはありますか。

佐原:そうですね。私は基本的に我が強くて全部自分でやりたいタイプなんです。ただMBOに到るまでの経営は本当にハードで、いろんな問題に直面しながら乗り越えるだけで精一杯。「自分一人の力ではなんともならない」ということが身に染みた二年間でした。やはりわからないことは専門の人に教えてもらった方が早い。素直に「助けて」と言えるようになりましたね。それと同時に、その二年間「よくそんな状態で経営していたね」と驚かれるくらいにがんばっていたという事実も重要なポイントです。それがあったから「それくらい本気なら支援するよ」と信じていただけたのかなと。

ただ、改めて考えても、やっぱり私の場合は「助けて」と頼った相手が良かったと思います。本当にご縁に感謝です。

EDGE_エアリーフィードバッククラウド①

組織運営で意識しているのは、正直でいること

江戸:経営者の悩みは多方面に尽きませんが、社内の組織運営や「ヒト」という点に目を向けると、いかがですか。

佐原:そうですね。今はまだミニマムな組織ですが、事業の方向性に共感してくれる、価値観の合うメンバーで一枚岩になれていると感じます。MBOして以降、離職者はいません。

ただ、2017年の立ち上げ時のメンバーで今も残ってくれているのは3分の1くらいです。一時は経営層のミーティングの7割が退職者やモチベーションの問題、社内の人間関係に関わる話で占められていましたね。そうすると、肝心の事業戦略やプロダクトの開発の話がさっぱり進みません。その状態に嫌気がさして、あるとき決めたんです。「価値感が合わなかったり見ている未来が違う人の人生を、無理に付き合わせる必要はない。その人を引きとめるために力を使うことはやめよう」と。全社員の前ではっきり伝えました。そう吹っ切ってからは、人が辞めることへの恐怖心みたいなものはなくなったと思います。

江戸:そうですよね。離れていってしまう方はどうしても出てきますし、よくわかります。
今メンバーのみなさんとのコミュニケーションの中で意識していることって何でしょう。

佐原:嘘をつかないことです。思うようにいかないことがあったとしても、取り繕わない。社員相手にいいカッコして盛ったとしてもどこかで本当のことはわかるでしょうし、信頼関係を築く上でマイナスにしかはたらきませんから。正直でいることが一番かなと考えています。逆に、江戸さんはどんなことを大事にしてますか。

江戸:そうですね。やはりミッションとかビジョンとかコアな部分は大事に考えていますし、あまり変わらないです。このコアな価値観を前提にしつつ社員とコミュニケーションをとることでしょうか。

もともと対話して向き合うタイプですが、組織が拡大すると全員と1on1をするのは難しいものがあります。だからそこは、他の人に自分の代わりを頼っていますね。自社のプロダクトや組織が成長していく中でそういう部分を担ってくれる人が出てくるものだなと実感しています。ただ、誰もが自分と同じやり方をするわけではないので、どんなアプローチをするのか、なるべく私自身で把握できるように努めています。

佐原:なるほど。弊社の場合は各部門のマネージャーが現場をまとめてくれているので、私が対話を意識して個人と関わる機会はすでに多くない気がします。経営者もそれぞれ、アプローチが違うものなんですね。

EDGE入社式

「自分たちを成長させたい」という思いを糧に飛躍する

江戸:今後、企業としては上場を視野に入れて準備をしていくフェーズでしょうか。

佐原:はい。まさにその方向で考えています。アディッシュさんも2020年に上場されたんですよね。やはり大変でしたか……?

江戸:それはもう(笑)。管理という観点では、証券会社から渡されるチェックリストが数百あります。とはいえ普通に全部やらなきゃいけないことなので、それをがんばるしかないですが。売上のトップラインが成長していることを証明するのと同時に、売上や利益管理の精度はかなり求められますよ。

佐原:上場に向けて江戸さんを支えてくれたものって何でしたか。

江戸:実は『人はなぜ、ゴール一メートル手前であきらめてしまうのか?』という本を買うくらい追い詰められたこともありました(笑)。実際、とても大変でした。ただ不思議と諦めはしませんでしたね。奮い立たせてくれたのは、やはり「自分たちを成長させたい」という気持ちだろうと思います。先ほどMBOのくだりで佐原さんがおっしゃっていたのと同じで、未来のイメージを強く持つことが大切ですよね。

佐原:なるほど、ありがとうございます。当社のCompany belief「人は、もっと輝ける」社会の実現への道のりはまだまだこれからです。「コミュニケーションを通じて人が育ち、いきいきと働ける」「仕事を通じて一人ひとりが輝き、幸せになる」という理想を、より具体的に描き追求していくことが大切ですね。これからも未来のイメージに向かってメンバー一丸となり、邁進していきます。

江戸:佐原さん、応援しています!本日はありがとうございました。

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