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アディッシュも実践! メンバーのスキルや個性を示す「キューブ」が活性化させる、組織内のコミュニケーションとコラボレーション【株式会社Rond様】

アディッシュ公式noteでは、さまざまな業界で新しい視点の事業を推進するスタートアップ企業をご紹介しています。
 
今回お話を伺ったのは、経験、スキル、個性を示す「キューブ」を使い、知識や能力を可視化するチームコラボレーションツール「parks」を開発する株式会社Rond(以下「Rond」)代表の豊永さんです。
 
コミュニケーションとコラボレーションを生み出すというparksの内容や使われ方、parksの思想の根幹になっているトランザクティブ・メモリーなどについてお話を伺いました。また、parksは実はアディッシュの一部チームでも導入しています。ということで後半では、parksを導入しているアディッシュの平田も交え、parksの効果や利用シーンについて聞いていきます。

株式会社Rond 代表取締役 豊永 悠馬

不動産デベロッパーにてオフィスビルの管理・運営、インキュベーションオフィスの企画運営、地方創生型ワーケーション事業の立ち上げ。 「出会う力」で誰もが自分らしく、豊かに生きられる社会をつくるためにRondを創業。 トランザクティブ・メモリーの概念を踏襲したチームコラボレーションサービス「parks」の開発提供。趣味は朝散歩、瞑想、ヨガ。

「キューブ」を送ることでメンバーの個性や趣味、人柄を可視化する

── parksについて教えてください。

parksはRondが提供するチームコラボレーションサービスです。経験、スキル、個性を示す「キューブ」をメンバー同士が共有しあうことで、組織やコミュニティ内の知識と能力を可視化していきます。

parksでは誰が誰にどんなキューブを送ったかが流れてくる

多くの企業は「部門間の連携が生まれない」「メンバー間のコミュニケーションが活性化しない」といった課題を抱えています。特に昨今は、業務が多様化している上にハイブリッドワークを採用している組織も多いため、この課題は一層深刻化していると考えられます。

なぜこんなことが起きるのか150社以上にヒアリングしてみました。そうしてわかったことは「そもそも誰がどんな情報をもっているかわからない」「どんな人かわからないから、話そうとも思わない」「その結果、連携も生まれない」ということです。それなら誰がどんな情報をもっているのかわかるようにしようと、スプレッドシートでメンバーの情報を可視化しようとする試みも少なくありません。しかし「自分はこんな人間で、こんな強みがあります」と自ら情報を言語化するのはなかなか難しいですよね。また一旦作成しても更新されず、結局使われなくなってしまうというケースが多いようです。

そこでRondは、自分で自分を語るのではなく他人に語ってもらうためのサービスであるparksを開発しました。メンバー間で「あなたはこんなことが得意だよね」「こんな情報を知ってるよね」といったキューブを相手に送り、それをもとにコミュニケーションを生んでいくんです。

誰かが誰かにキューブを送ったという情報はタイムラインに流れるようになっています。その情報を目にしたらキューブを追加したりコメントをしたり、リアクションスタンプを押したりできる機能も実装しました。こういった機能を積み重ねることで、組織内コミュニケーションの活性化を狙っているんです。

── 可視化されるのはどんな情報でしょうか。

その人の過去の経験や趣味、個性など、本当に多様な情報です。例えば私に送られたキューブを見てみましょう。以下はparksの私の管理画面です。「UIデザイン」や「新規事業」といった正に仕事というものもあれば、「コミュ力おばけ」「完璧なヘアセット」なんてわざわざ自分では付けないキューブや、「高級おかししか食べない」「寺ヨガ」といった趣味に関するものまで多様なキューブが送られていることがわかります。

豊永さんに送られたキューブ

── こういった情報をメンバーが送ることで、次第に本人がどのような人物かわかってくるというわけですね。
 
その通りです。ちなみに職務経歴書や目標シート、企画書といった資料をアップロードすると自動でテキストマイニングしてくれるので、そこからキューブを自動作成することも可能です。
 
また欲しい情報を検索して、AIに特定の情報に詳しい方をピックアップすることもできます。検索結果の表示にもこだわりをもっていて、例えば「広報」と検索すると広報の方しか表示されないサービスもあるかと思いますが、parksではマーケティング戦略設計やメディア関連の方も表示するようにしていて、なるべく幅広にコミュニケーションを生み出そうとしています。
 

メンバーの可視化が生み出すコミュニケーションとコラボレーション

── parksを利用するのはどんな企業でしょうか。

100人以上のメンバーがいる、地方支部・複数事業部・複数プロジェクトがあって組織が明確に別れている、ハイブリッドワークで全員が同じ場所に出社しているわけではない、といった組織では特に効果があると考えています。

── 導入した会社ではどんな使われ方をしていますか?

豊永(rond):
parksには大きく、「コミュニケーション」を生み出すための使い方と「コラボレーション」を生み出すための使い方があります。

まずはコミュニケーションの例を説明しましょう。ある企業ではメンタリング制度に絡めてparksを利用しています。メンタリングが終わったらお互いに「この人はこういう人」というキューブを送り合うんです。キューブが送られたという情報はタイムラインに流れるので、そこに他の方がさらにキューブを送付する。そうするとどんどんキューブが溜まっていきます。メンターに関する情報が集まれば「この人にメンタリングしてもらいたい」という方が増え新たなコミュニケーションに繋がる、というわけです。

── コラボレーションの事例も教えてください。

豊永(rond):
ある不動産会社のマンション部門の方が、新たにMaaS(Mobility as a service)に取り組むことになったそうです。ただその方はMaaSのことをほとんど知りませんでした。そこで社内で誰かMaaSの情報をもっていないかとparksで検索したら、地方創生という観点で既にMaaSに取り組んでいる方が地方事務所にいることが発覚しました。すぐにコンタクトを取り、両部門の連携に繋がったそうです。両者は同じ企業内にいるのに全く知らない方だったそうで、parksの有用性を示すいい事例になりました。

またインキュベーションオフィスではこんなことがありました。ある方がビジネスのために農家にコンタクトを取りたいと考えていましたが、なかなか見つからなかったそうです。そこでparksで農家関連のキューブを検索。インキュベーション施設内に該当者がいたのでコンタクトを取り、無事に農家にアクセスできました。

── コミュニケーションもコラボレーションも色んな事例が生まれていますね。

はい。parksとしては、コラボレーションを生み出すためにはコミュニケーションが、コミュニケーションを生み出すためにはメンバー情報の可視化が必要だと考えています。そのため我々は、まずはメンバー情報を可視化することをファーストステップに設定しました。その上でコミュニケーション、ひいてはコラボレーションを生み出していく。そこをいかにシームレスに繋げられるかがparksが広がっていく鍵になるでしょう。

── parksは社内SNS的要素が強いサービスかと思いますが、SNSは多くの方が使わないとワークしません。ユーザーの方々は、どんなモチベーションでparksを使っているのでしょうか。

この人のこういう素晴らしいところを発見した。それをみんなに共有したい。parksのユーザーはそんな感覚の方が多いと認識しています。

人のいいところを発見しても、それを簡単にシェアする機会がたくさんあるという方は多くないでしょう。しかしparksだとキューブという形で簡単にそれを共有できます。しかもその情報はタイムラインに流れていき、それを見た方が「確かにそうだね」なんて思えば追加でキューブが送られてくる。こういう体験を楽しんでいる方が多いですね。キューブを貰ったら嬉しいので、返報性の法則が働いてキューブを返すという方も少なくありません。ここまでくれば組織内でキューブがどんどん生まれるという好循環になっていくことが多いですね。

── parksというサービスの開発には「トランザクティブ・メモリー」が重要な役割を果たしていると聞きました。

トランザクティブ・メモリーとは、組織内の「誰が何を知っているか」という情報を把握することが、組織のパフォーマンスを向上させるという学術的な考え方です。

仮に「誰が何を知っているか」という情報が全くなかったとしましょう。そうすると何か情報を探しているXさんは、Aさんに聞いて、Bさんに聞いて、Cさんに聞いて……ということを繰り返して、やっと目当ての情報に辿り着けます。しかしトランザクティブ・メモリーが発達していれば、Xさんは最初から情報をもっている方に情報を聞きにいけばいいわけですから、無駄も減り、組織のパフォーマンスは上がっていく、というわけです。

アディッシュ流、カジュアルにもビジネスにも貢献するparksの使い方

ここからはparksを導入している弊社アディッシュの平田も交え、parksの話を伺います。

── アディッシュもparksを導入しています。経緯を教えてください。

平田(アディッシュ):
アディッシュにはクライアント先に常駐をするという形で業務をしているメンバーも少なくないのですが、そういったメンバーが所属するチームで試験的にparksを導入しました。
どうしても当該メンバーは自社との接点が少なくなりがちで、アディッシュへの帰属意識が薄れてしまうのではないかという課題がありました。私自身、数ヶ月間クライアント先の業務をしていた経験があるのですが、やはりアディッシュの情報を以前のようにキャッチアップできていないように感じたことがあったんです。

それでもっと社内の横の繋がりを強化していくことから始めたいと思い、parksの導入に至りました。

アディッシュ 経営戦略本部 エンプロイーサクセス部 ES企画 平田優

── parksを利用した感想を教えてください。

平田(アディッシュ):
parksを試験導入しているチームにおいても、人が増えているということもあり、コミュニケーションを取ったことのないメンバーも少なくありませんでした。当該チームでは独自に学びあう時間やランチ会を設定するなど、接点を持てる工夫はしていました。ですが、やはりオンラインでそのような場を設計していくには、話しかけるきっかけを欲しておりました。

parksにログインするとポップなUIが待っていて、「誰が誰にどんなキューブを送った」という情報が飛び交っています。特にキャッチーなキューブは目に留まって、会話のきっかけになりますね。parksがあることで「あのキューブ面白いね」「あのキューブはどういうこと?」というようにコミュニケーションが生まれているんです。

豊永(rond):
オンボーディングも兼ねて僕もアディッシュのparksに参加しているのですが、平田さんにもタグを付けましたよね。反応はありましたか?

平田(アディッシュ):
私はアーネスト・ホーストというK-1選手にエレベーターで会ったことがあるのですが、その話を豊永さんにしたら「アーネスト・ホーストに会った人」というキューブをつけてくれましたよね。正直こんな出来事、私も忘れていましたし、覚えていてもわざわざ自分で付けるキューブではありません。豊永さんに付けていただいて「parksはこんな感じで使えばいいんだ」とわかりました。このキューブを見た人から「アーネスト・ホーストが好きなんですか?」と聞かれたこともありますし、そこから違うスポーツの話になったこともあります。何れにせよ、ひょんなことからコミュニケーションが生まれるんだなと感心しました。

豊永(rond):
ビジネスでもカジュアルでも、「色んな人を知れる、繋がれる」というところがparksの価値ですからね。今の例は社内のカジュアルな話でしたが、ビジネス面でも役に立ちそうですか?

平田(アディッシュ):
役に立つと思います。実際、parks導入前に「このときparksがあったら役立っただろうな」と思う出来事があったんです。常駐案件に従事しているメンバーが、クライアントから「イベントを実施してほしい」と依頼されました。とはいえそのメンバーは、イベントを開催した経験なんてなかったので困っていたんです。ただ「アディッシュの誰かがイベントを開催していた」ということだけは覚えていたらしくて周囲にたずね、なんとか担当者を見つけたそうです。もしこのときにparksで「イベントのプロ」なんてキューブがあったら、そのメンバーはすぐに担当者を見つけられたのではないかと思います。

豊永(rond):
なるほど。正にトランザクティブ・メモリーを体現するようなエピソードですね。こういったことをparksで実現していきたいと思います。

── 最後に、Rond社・parksの展望を教えてください。

豊永(rond):
人がもっている能力や経験を最大限に活用する。これがparksのやりたいことです。そのためには人と人が出会って生まれる化学反応を最大限に高めることが大事なのは間違いありません。そのためしばらくは、自動マッチングやコミュニケーションを円滑にするための機能など、組織やコミュニティ内で再現性を高めるための機能をリリースしていくことに注力する予定です。

また現在は、組織やコミュニティ内でご利用していただいていますが、将来的には組織やコミュニティ外で連携していくことも考えています。もしかしたら、オンラインにこだわる必要もないかもしれません。例えばフリーアドレスの隣に座っている知らない方にはどんなキューブが付けられているかがわかるparks座席アプリみたいなものがあってもいいかもしれないですし、その延長としてparksコワーキングみたいなものがあってもいいかもしれないなんて考えています。

何れにせよ、自分自身が楽しみながら、人と人が出会って生まれる化学反応を作っていきたいですね。

── アディッシュとしても応援しています。本日はありがとうございました。

※記事中の画像は、Rond様の提供の元、加工したものです。
(アディッシュの写真は除きます)
(取材協力:pilot boat)




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