Zendeskの導入と活用、そしてCS全体戦略設計までメンバーの力を最大限に活かせるCSチーム運営を支援。アディッシュのCSコンサルティング導入事例【Fulmo様】
「ペアルック専門通販サイトPairl」などニッチな領域のECサイトを複数運営する株式会社Fulmoでは、2022年末、アディッシュの支援のもとZendeskを導入しサポート部門の業務効率化を実現しました。本日はFulmo社 カスタマーオペレーション担当 高梨様にコンサルティングサービス導入の背景と所感について伺いました。(聴き手:アディッシュ株式会社 平田)
増える問い合わせに対応できない危機感。本気でCS業務の改善に着手
ー本日はよろしくお願いいたします。はじめに御社の事業と今回のプロジェクトの背景について教えていただけますか?
はい。当社はECサイト開発と運用代行、WEBサービスの開発と改善コンサルティングを事業としています。得意な領域はアパレルで、「ペアルック専門」「チャイナ服専門」など特徴的なECサイトの開発や運営代行を広く手がけています。2020年に創業の若い会社で、まだメンバーも少ない中、カスタマーサポート(CS)担当メンバーは私を含め、4〜5名。ほとんど業務委託でフルタイムの方は一人というのが現状です。
運営するECサイト数に比例して問い合わせの量も増えます。お客様への回答をお待たせしてしまったり、問題発見に気がつくのが遅れたりと、CSの運用や対応の品質の問題が表面化したのが2022年の中頃でした。そこでお客様の満足度を向上させるため、業務の効率化やフローの整備に着手することになったものの、社内に知見のある者がいなかったんです。Zendeskが使えそうと思いながらも、どんなことから着手したら良いかわからない状況でした。
そこで、昨年の秋に他社の経営者から推薦していただいたのがアディッシュさんです。さっそくお問合せをしてみたら、最初の無料相談期間にCSツールの選定をとても丁寧にサポートしてくださったんですね。安心して一歩が踏み出せたので、このままぜひ、Zendesk導入から運用までご支援いただきたいと思いました。
CSの全体戦略を定めることで着実にプロジェクトが進行した
ー実際のプロジェクトの流れについて、教えていただけますか。
はい。まずは目前の課題を解決するため、Zendeskを導入し一定の環境を作りました。ただ長期的な観点でどう進めていくべきか、CSの全体戦略についても固める必要があると感じたんです。代表の小林と相談しながらある程度骨子を作ってはいたのですが、私もCSという仕事ははじめてで、よくわからないながらに取り組んでいたというのが実際のところです。
そこでZendeskの導入が一通り落ち着いた12月から大体1〜2ヶ月程度、CSの全体戦略のブラッシュアップにもお付き合いいただくことにしました。レビューと壁打ちを繰り返し、最初に作ったものをアップデートしていったんです。対話する中で、こんがらがった悩みが解きほぐされて、本質的な課題とその対策について整理できましたね。ミーティングは月に2、3回であとはSlackです。ミーティング以外でも、Zendeskの設定や使い方について質問があるときは、都度Slackで質問していました。
ーCSの運用改善に向けて、具体的にはどのような取り組みをされたのでしょうか。
まず着手したことは、改善する指標を絞ることです。具体的には、最優先指標を財務インパクトの大きい「返金率」と「1発注あたりCS工数」に絞ることにしました。そして、それらの重要指標を定期的にモニタリングする体制の確立を進めました。
といった基本的なルール作りから始めたんです。
その次に実施したのが、CSメンバーのタスク処理量の可視化です。理想の件数はおいていたのですが、前提に離席時間が考慮されていなかったり、各タスクの所要時間が慣れている人のそれを基準にしていたり、目標とするのに適当な数字ではありませんでした。そこで、正しい目標数を考えるため、メンバー全員にタスク管理シートを渡して、一つの作業を何分で何件対応したか、書き出して理想と現実の突き合わせをすることにしました。現在も退勤時に埋めてから帰るように習慣づけています。
その後はシステムによる発注自動化や、問い合わせが少なくなるような仕組み作りへと取り組みを進めています。
業務効率化とPDCAを意識したチーム運営で、既存のリソースを最大限に活かせる状態に
ーCSの戦略設計はZendeskの活用を含めた日々の業務・運用にどのように影響を与えたと感じていらっしゃいますか。
顧客満足度を向上させるためには、業務スピードやその対応品質を上げていく必要がありました。その課題に対するアプローチとして、闇雲に人員補充をするのではなく、既存のメンバーでの業務効率化にフォーカスすることができたと言うのは大きいと思います。処理量の可視化を通じて、実態にあった適切な目標時間を設定できたおかげでPDCAを回す基準ができ、互いに意識しあって業務にあたれるようになりました。
Zendeskにより返信のフローが整備できて、業務のスピードが上がりました。問い合わせ内容や進捗の見える化によって、1日あたりにチームで返信できるお問い合わせの量も着実に増えています。また、発注プロセスも段階的に自動化したり、FAQページを構築してお客様ご自身での解決ができるような情報提供を行ったり、Zendeskを活用した仕組み化は着々と進んでいます。
取引上の各種プロセスをスムーズにし、疑問やお困りごとの解消のためにお客様をお待たせしないような環境作りは、長くお使いいただくために欠かせません。その基盤ができて嬉しいですね。社内的にも1件あたりの時間コストを削減し、より多くの件数に対応できるようになったと手応えを実感しています。
ー当社の担当者からは、代表の小林様と現場の高梨様との間で、CSの運用改善について同じ解像度で取り組まれているのが印象的だったと聞きました。進め方に関して意識していたことなどあれば教えてください。
ありがとうございます。「とにかくCSをなんとかしないと」という想いが強烈にあって。アディッシュさんとのミーティングの前にも、やりたいことは何か、課題は何なのか、社内で議論を重ねていました。小林からは「顧客の不満を放置していると、数字ではっきりとわかるもの。現場で困ることは助けるし、必要な判断をするよ」と言われていたんです。なので、特別に意識したことではありませんが、困ったら「助けてほしい」と素直に声を上げるようにはしています。
「助けてもらう」という点で、アディッシュさんの存在は心強かったです。Zendeskを使うのは初めてだったのでわからないことだらけでしたが、Slackで連絡すればすぐに丁寧な返信をくださるので、ちょっとした疑問でも気軽に頼ってしまいました。「おとうさん」的な存在ですね(笑)。おかげさまでスピード感を持って運用をブラッシュアップしていくことができました。
お客様が終始気持ちよくサービスを利用できる未来を目指して
ー今後の展望ついてお聞かせください。
現在はまだ問題が起きてからお客様からご連絡いただくような形です。不満のお声をいただくことも少なくありません。まずはこの状況を改善することが第一だと考えています。オペレーションをスムーズにして安定稼働を実現しながらも、なるべく問い合わせが発生しないような仕組みを作ることに集中していきます。
その先は、お客様の要望を収集し、サービスを進化させるカスタマーサクセスの領域まで役割を広げていきたいですね。例えばECショップを運営する際、梱包袋の選定やタグの種類など細かい条件指定をサイト上で完結できるようにしてほしいとか、チャットでライトに問い合わせ対応してほしいと言うように、まだ捉え切れていないお客様のニーズがたくさんあると思うんです。お客様が終始気持ちよく弊社のサービスを利用できるように、できることを追求していきます。
ーこれからのご活躍を応援しています!!本日はありがとうございました。