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資金調達の目的と既存株主さまへの影響について

アディッシュ株式会社(7093)IR担当です。
2024年11月29日に資金調達について開示しました。

今回の資金調達は、株式の発行数を増やすことで取引の活性による時価総額の向上を目的とし、調達した資金は人的資本拡充のための採用や教育、サービスの効率化に向けた開発資金に投資します。
これにより事業拡大による成長基盤の確立中長期的な企業価値の向上既存株主の皆さまの利益の向上につながるものと考えています。

ポイントをQ&Aの形式で解説していきます。

※詳細については開示資料をご覧ください
第三者割当による新株式、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び
第4回新株予約権の発行並びに第三者割当契約の締結に関するお知らせ



Q:資金調達の方法について

3つの方法で資金調達を行います。新株式の発行、無担保転換社債型新株予約権付社債(以下、新株予約権付社債)、新株予約権の発行です。
調達する資金の総額は、200,517,100円になります。

新株予約権付社債は、転換価額固定型で対象株式数も固定されているものであり、価格修正条項付きのいわゆるMSCBやMSワラントとは異なります。

Q:資金調達を行った背景について

アディッシュは、スタートアップを中心にカスタマーサクセスサービスを提供しています。カスタマーサクセスのコンサルティングから施策の実行、カスタマーサポートの体制構築、リソース提供などのBPO事業を展開していて、人的資本が非常に重要となっています。
また、企業や学校向けに誹謗中傷や炎上などをはじめとするソーシャルリスク対策サービスも提供していますが、後者のサービスはシステムと人により、顧客企業に寄り添いながら支援をしています。

市場は人手不足を背景に、業務の効率化や自動化を進めていたり、技術の発展に伴いネット上の誹謗中傷や炎上は留まるどころか日常的に発生している状況で、継続的にリスク対策をとる企業は少なくありません。

このような背景から、アディッシュが提供するカスタマーリレーション事業の拡大需要が見込まれており、そのためには人的資本の拡充とサービス効率化に向けた開発資金が必要と考え、今回の資金調達を行いました。

株式の発行数を増やすことで市場での流動性を活性させ時価総額の向上と、調達した資金で事業投資を行い、売上の飛躍的な拡大と収益性の向上による黒字化、利益改善を目指していきます。

Q:それぞれの資金調達の特徴とメリットについて

新株式は、弊社代表取締役の江戸 浩樹が引受先です。
資金を確実に早く調達できること、中長期保有を目的としていることから、希薄化のリスクが少ないことが大きなメリットです。
新株予約権付社債と新株予約権の発行に伴い江戸の持株比率が減少することや、代表自らが追加の資金を投入することで、経営者として一層の責任をもって企業価値の向上に取り組みます。

今回の資金調達で重視したこと

新株予約権付社債と新株予約権の引受先には、資金の確保を図る観点で以下の5点を重視し、要望しました。

① 割当先にとって純投資であること
② 株主価値の急激な希薄化をもたらさないこと
③ 大株主として長期保有をしないこと
④ 株式流動性の向上に寄与し、予期しない株主の出現を防ぐために、取得した株を相対取引ではなく市場で売却すること
⑤ 環境や状況の変化に応じてアディッシュがより有効な資金調達手段を見出せた場合に、迅速に買戻しが実行できること

これらの要望に対して、マイルストーン・キャピタル・マネジメント株式会社(以下、マイルストーン社)が要望を受け入れていただき、引受先となりました。

5つの要望に対しマイルストーン社は、以下のように該当します。

① 過去の実績から実質的に行使可能となるのは、発行会社の株価が新株予約権の権利行使価額を上回る場合に限られていました。その行使実績からマイルストーン社が、市場動向を考慮しながら行使を着実に行っていることが推認でき、純投資目的であると捉えることができます。

②、④ アディッシュの企業価値向上を目指した純投資の意向を表明されています。いずれも普通株式については長期保有することなく市場動向をみながら、順次市場に売却する方針とのこと、流動性の向上が見込まれます。

③ 新株予約権付社債がすべて転換され、新株予約権が全部行使された際は、マイルストーン社がアディッシュの主要株主となりますが、今回の契約における行使制限条項を適用することで、マイルストーン社が主要株主となることはありません。
またマイルストーン社は、市場動向を勘案しながら適時株式を売却していく方針で、アディッシュの経営方針への悪影響を防止するべく経営に介入する意思がないことを確認しています。

⑤ この新株予約権は、アディッシュの取締役会決議により、払込金額と同額でマイルストーン社から取得することが可能となっています。また新株予約権付社債には繰上償還条項が付されているので、アディッシュがより有利な資金調達方法、より有利な割当先が確保できた場合は切り替えることが可能です。

新株予約権の特徴は、行使価額の修正行使制限条項取得条項を付しています。

行使価額の修正を行うことで、株価上昇時には資金調達金額の増加、株価下落時には資金調達の蓋然性を高めることができ、柔軟な資金調達が可能となります。
修正後の行使価額が、下限行使価額を下回ることはありません。

行使制限については、2024年11月29日時点での発行済み株式総数の10%を超えることになる場合、10%を超える部分に係る新株予約権の行使はできないことになっています。
これはアディッシュとの合意に反して大株主として長期保有することを防止することができ、過度に一度の大量行使による株式の希薄化防止につながります。

取得条項により新株予約権の全部または一部を取得することができます。事業戦略の進捗次第で将来的に資金調達ニーズが後退した場合や、より有利な他の資金調達手法が確保された場合には、その判断により取得することができ、新株予約権の発行後も資本政策の柔軟性を確保することができます。

Q:株式の希薄化について

2024年11月29日時点で、アディッシュの発行済み株式総数は1,802,160株です。
新株式の発行により16,200株、新株予約権付社債により179,210株、新株予約権により161,300株で、新株予約権付社債がすべて転換され、新株予約権がすべて行使された場合、発行済株式総数は2,158,870株となり、今回の資金調達による株式の希薄化率の合計は19.79%です。

既存株主様におかれましては、株式持分および議決権比率が低下します。
また1株当たり純資産額が低下するおそれがあります。

ですが、財務基盤の強化を図りながら経営効率化と投資活動を積極的に進め、成長基盤の早期構築を達成していくことが必要と考え、株主価値の希薄化リスクが低くなる資金調達について協議を重ねてきました。

今回の資金調達により選択と集中を図っていき、成長するための投資をしながら当期純利益の改善を進め、継続的に企業価値・株主価値が向上することで、既存株主さまの利益になるものと判断しています。

Q:調達資金の使用用途について

調達する資金の総額は、200,517,100円(差引手取概算額:192,967,100円)です。使用用途は以下の通りです。

1.人材の採用や育成に係る人的資本投資資金
利益基盤として投資を続けているカスタマーサクセス領域の基盤を拡大・盤石なものとするために、人材の採用や教育資金に充当していきます。
これは経験者を中心とした新規採用(48 名の採用予定)に加えて、既存社員の継続的な能力開発を継続するために、採用募集費用や研修費用として使用していく予定です。

2.提供するサービスの効率化に向けた開発資金
アディッシュが提供するカスタマーリレーション事業は、自社開発のシステムを活用したサービス提供を行っていますが、オペレーティング品質維持のため一定数の人員を動員して対応しています。現在の運用では、事業拡大とともにオペレーターの増強が必要不可欠で、労働人口減少による人材不足や、賃金上昇による利益への影響も看過できなくなっていることから、人工知能等の技術を活用したオペレーティングシステムの開発および業務委託を用いたシステム開発による省人化を実施していきます。

※詳細については開示資料をご覧ください
第三者割当による新株式、第1回無担保転換社債型新株予約権付社債及び
第4回新株予約権の発行並びに第三者割当契約の締結に関するお知らせ


さいごに

2024年11月29日時点でアディッシュの時価総額は約11億円、株価は600円程で推移しています。
現在の業績や2期連続の営業損失の計上見通しとなっている中、IRが機能していないとのお叱りもいただき、株主・投資家の皆さまの信頼を損ねている結果と真摯に受け止めています。

既存株主さまにおかれましては、今回の資金調達で保有されている株式の希薄化を最も懸念されていることと思います。
中長期的に成長するためには積極的な投資が必要であると考えていますし、これにより事業の一層の拡大を通して売上の拡大と収益性を向上させ、株主・投資家の皆さまの期待に応えられるよう邁進してまいります。

今後もアディッシュを応援してくださいますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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※本記事は、情報提供のみを目的として作成しています。有価証券の販売の勧誘や購入の勧誘を目的としたものでありませんので、ご留意ください。
※2024年12月2日現在の記事です。
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アディッシュ株式会社 IR担当