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Clubhouseに潜む炎上リスクとは?音声SNSにおける企業のリスクマネジメント

米国発の音声SNS「Clubhouse」(クラブハウス)が人気を博しています。FacebookやTwitter上でも話題になっており、音声を使う点が良さとして受け入れられているようです。
マーケティングやコミュニティ、採用などビジネスでの活用が注目される一方、今までのSNSと同様に、炎上や機密情報の漏洩などの課題が生じてくる可能性もあります。ソーシャルリスクの観点から、予想される問題と注意点、リスクへの対応方法をまとめていきます。

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TwitterやFacebookなどのSNS上では今まで色々と問題が発生しましたが、同じような問題がClubhouseでも起こると思われます。
音声SNSはイノベーターやアーリーアダプターが使っていたもののようなイメージですが、Clubhouseはテレビでも紹介されて広く認知され始めていることから、キャズムを超えいろいろな人が利用していく可能性があります。それにより一部のネットリテラシーが低い方の利用も増えることが想定され、結果として問題が発生していくのではないでしょうか。

どんな問題が発生するのか

1.機密情報の漏洩

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まず考えられるのは「機密情報の漏洩」です。Twitterでもよく見られますが、Twitter上で身内だけで会話していたつもりが、ある日、問題のある投稿が外部に発見され、大炎上につながっていく、というものです。
Clubhouseも部屋の制限のかけ方によりますが、第三者や自分と繋がりが薄い人が聞いている場合もありえます。大丈夫だろうとつい話した自社の内部の話や取引先の情報などが、想定以上の人に広がってしまうという事態が多発する可能性も充分考えられます。

また、上場企業のインサイダー情報には特に注意しなければなりません。弊社も含め様々な上場企業の社長や役員などが既にClubhouseを利用していますが、上場企業の中の話をしてもいいのかはグレーな部分となります。

さらに、機密情報とまでは言えなくても個人が公開していない情報がつい出てしまうことも考えられます。例えばプライベートでスピーカー同士お互いの家族構成やどこに住んでいるか、子供が何歳であるかなどを知っているようなケースで、ついお子さん何歳になったんですよね、というような個人情報の話をしてしまうこともあるのではないでしょうか。

2.炎上
Twitterと同様に、炎上の問題も起こり得ます。機密情報の漏洩の場合と似ていますが、ついポロリと発言したことが火種となるというものです。例えば性差別的な発言などです。政治家がパーティーで話した内容がニュースで取り上げられ、大変なことになるというのと構造は同じです。
Clubhouseは本名で登録するので、会社などが特定されて会社も一緒に炎上しかねません。

3.事実と異なる情報が流布される
Twitter等と違い音声SNSは、特にClubhouseはログがないので、話し手が何を話したのか後からはわかりません。また音声は可視化されないため、話し手の意図通りに聞き手が正しく把握することは難易度が高いと考えられます。すると伝言ゲームのように、話されていた会話が徐々に変化し事実と異なる情報が流布していく可能性が出てきます。

Twitterでもテキスト数の制限から異なった文脈で読み取られてしまうという問題がありましたが、音声であり振り返りもできないClubhouseはそれ以上に勘違いを生みやすいのです。実際に「この前別の部屋で〇〇さんがこう言ってたんですが」といったような発言を耳にします。

なぜ炎上や機密情報の漏洩が発生するのか

このようにClubhouseにもTwitterと同じようなリスクが存在していますが、それらのリスクが発生してしまう背景があります。

1.「ラジオ」だから

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テキストであれば投稿する前に推敲することができますし、いざ投稿ボタンを押す時でも「これはそのまま投稿するとよくないかもしれない」と投稿内容をもう一度考え直すこともできます。
しかし音声(ラジオ)では、なめらかなトークをフォーマットとして求められがちです。その結果として、頭の中で思いついたことをそのまますぐに発言してしまう傾向があり、テキストであれば考え直すような内容であってもうっかり発言してしまう可能性があります。

2.インフルエンサービジネスの一般化
TwitterやInstagram、YouTubeなど、それぞれの大型プラットフォームにおけるインフルエンサーは注目されており、また金銭を得やすいということも広く認知されています。
その中でClubhouseのような新しいプラットフォームが出てくると、そこでインフルエンサーになりたい!という思いを募らせる人も少なからず出てきます。
有名インフルエンサーになるためにはフォロワー数を増やす必要があり、そのためにはより多くのフォロワーを引き付ける魅力が必要となりますが、Clubhouseの場合にはその魅力は「話の内容」ということになるでしょう。そのため「他人が知らないこと」や「面白いこと」を話そうとする志向性が高まり、口外してはいけないことまでもつい話してしまう可能性があります。

また、Twitterで話題ワードとなった「炎上商法」のように、注目を浴びやすい過激な発言を繰り返す人も出てくるでしょう。

3.サイバーカスケード
サイバーカスケードとは「考えや思想を同じくする人々がインターネット上で強力に結びついた結果、異なる意見を一切排除した、閉鎖的で過激なコミュニティを形成する現象」のことです。Clubhouseで会話するにせよ聞き手に回るにせよ、自分の興味関心があることや同じ考え方のところに集まりがちです。そしてそのような場では、同じ思想を持つがゆえに過激化しやすく、またそれを押し止める人もいないのでさらに過激化していくという構造になります。
それらの情報がコミュニティ外の人に触れることで炎上につながります。
実際にClubhouseはそのような傾向があるようです。

4.内輪感
内輪感とは、一定程度の共通認識があるような状態と理解してもよいでしょう。いきなり見ず知らずの人と会話するという場合もありますが、SNSにはある程度の内輪感、笑いのツボであったり興味関心が似通ったりする状態が存在します。実はこれが世間とずれてしまっているという可能性がありえます。

コンビニ店員がおでんをツンツンしたり口に入れたのを吐き出したりした動画の投稿がバイトテロと呼ばれて炎上しましたが、その店員の周辺の身近な人間関係では、その行為がおもしろくて称賛されることであった可能性があります。このように、小さなコミュニティ内ではよかったことが外部ではそうではない、それをTwitterやSNSに投稿してしまうと大批判を浴び炎上してしまうということはいろいろとあるでしょう。

音声SNSは音声であるがゆえに内輪感をより感じやすく、そうであるがゆえに内輪ネタを繰り広げやすい傾向があります。その内輪ネタが世間とずれてしまっている場合、結果として炎上につながっていってしまうのです。

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クローズドでも炎上する?

「確かに炎上しやすい背景はあるかもしれないが、クローズドでやる分には大丈夫でしょ?」と思われるかもしれません。もちろんクローズドでの安心面はありますが、決して万全ではないことは留意しておくべきです。悪意がある方が内容を暴露したり漏らしたりする可能性は否定できません。また悪意なく情報を他のプラットフォームで紹介してしまうということもありえます。クローズドの環境だからといって、それ以上に広がっていくことを留めることはできません。

企業はどうしていくべきか

従業員の方々がClubhouseを利用していくことを止めることはできませんし、止めるべきことでもないでしょう。しかしながらClubhouseをはじめとした音声SNSで、意図せず情報が漏洩したり炎上したり、ということは発生しうることであり、リスクとして捉えなければなりません。では、そのようなリスクへどう対応していくべきなのでしょうか。

1.従業員に対するリテラシー教育
1つは従業員に対するリテラシー教育です。
今まで述べたようなことについて理解してもらうだけでも少しはリスクを下げられるでしょう。「情報を漏洩しないでください、炎上しないように気をつけてください」とアナウンスをしてもなかなか自分事として捉えてはもらえませんが、炎上や情報漏洩がされやすい背景をしっかりと理解することで、そのようなリスクに対して敏感になりそれぞれが考えていくことができます。

2.早期把握
2つ目は早期把握です。炎上や情報漏えいリスクを完全に0にすることはできません。大事なのは、問題が起きたときに早期に把握し対処するということです。しかしながら音声SNSの課題は把握しにくく、またすべての従業員のアカウントを把握し発言をもれなく聞くなどは非現実的です。

そこで重要になるのがTwitterの監視です。Clubhouseはクローズドであり内容が全てそのまま出てくることはありませんが、TwitterやFacebookなど他のSNSを通して内容の一部が漏れ出てくる可能性があります。炎上のほとんどはTwitterを経由していることが多いため、Twitterをチェックしておくことができれば早めの把握が可能となり、対処もしやすくなります。
Twitterで自社のキーワードを毎日検索するのもよいでしょうし、自社のキーワードに関する投稿が多すぎてとても把握しきれないということであれば、ソーシャルリスニング等のサービスを提供する業者を検討されることもよいかと思います。
アディッシュではSNSの炎上対策を専門的に対策支援するソーシャルリスニングサービスを提供していますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

ソーシャルリスニング | ソーシャルリスニングならアディッシュ https://monitor.adish.co.jp/service/social-listening/

とはいえ、まずはしっかりと従業員各自がリスクがあることを理解し、問題がないように努めた上で利用していくことが大事です。

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